~ 全国 ~
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001513492.pdf
~ 近畿圏 ~
<大阪府>
■大阪府の住宅地の平均変動率は、前年のマイナス0.2%から本年はプラス0.4%と回復し、微増ではあるが上昇基調となった。新型コロナウイルス感染症の影響による不動産市場の停滞が一時あったものの、交通の利便性に優れる住宅地の地価は、前年に引続き上昇傾向にある。一方、交通の利便性に劣る住宅地の地価は下落が続いている。
■大阪府の商業地の平均変動率は、前年のマイナス0.9%から本年はプラス1.6%と回復し、上昇基調となった。北大阪急行の延伸が計画されている箕面市の一部商業地のほか、駅前の商業地など立地条件の良い地域では、引続き地価が上昇している。また、新型コロナウイルス感染症の影響によりインバウンド需要の影響が強かったホテルや飲食店等の商業施設が集積する大阪市の中心部では、行動制限の緩和等により、人流・消費が一部持ち直すなど回復傾向が見られ、地価は上昇に転じた。
■大阪府の工業地の平均変動率は、+2.1%(前年+0.6%)で、7年連続の上昇となった。
平成31年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
住宅地 | + 0.4% | ▲0.3% | ▲ 0.2% | + 0.4% |
商業地 | + 8.7% | + 1.8% | ▲ 0.9% | + 1.6% |
工業地 | + 1.6% | + 0.3% | + 0.6% | + 2.1% |
<兵庫県>
■兵庫県の住宅地の平均変動率は、▲0.1%で、昨年(▲0.8%)から下落幅が縮小した。
・神戸市は+1.2%で、昨年(+0.1%)から上昇幅が拡大した。
・阪神南地域は+1.3%で、昨年(+0.6%)から上昇幅が拡大した。
・阪神北地域は+1.0%で、昨年(+0.1%)から上昇幅が拡大した。
・昨年は11市区で上昇したが、今年は神戸市東灘区、灘区、兵庫区、須磨区、垂水区、北区、中央区、西区、尼崎市、明石市、西宮市、芦屋市、伊丹市、宝塚市、川西市および太子町の16市区町で上昇し、その他市区町は下落または前年並となった。
■兵庫県の商業地の平均変動率は、+0.4%で、昨年(▲0.6%)の下落から上昇へと転換した。
・ 神戸市は+1.5%で、昨年(▲1.1%)から上昇に転じた。
・ 阪神南地域は+2.1%で、昨年(+1.5%)から上昇幅が拡大した。
・ 阪神北地域は+1.3%で、昨年(+1.2%)から上昇幅が拡大した。
・ 東播磨地域は+0.8%で、昨年(±0.0%)から上昇に転じた。
・ 昨年は16市区町で上昇したが、今年は神戸市東灘区、灘区、兵庫区、須磨区、垂水区、 北区、中央区、西区、尼崎市、明石市、西宮市、芦屋市、伊丹市、加古川市、宝塚市、 川西市、小野市、三田市、丹波市および太子町の20市区町で上昇し、その他市区町は下 落または前年並となった。
■兵庫県の工業地の平均変動率は、+1.4%で、昨年(+0.3%)から上昇幅が拡大した。
<京都府>
■京都府の住宅地の平均変動率は、前年の▲0.6%から▲0.2%へと下落率は縮小した。新型コロナウイルスの感染拡大により、令和元年まで上昇傾向を示していた地価は令和2年から下落に転じている。本年も下落傾向が継続したが、昨年に比べてその影響は弱まっている。
■京都府の商業地の平均変動率は、前年の▲0.6%から1.4%へと下落から上昇に転じた。新型コロナウイルスの感染拡大により、店舗系商業地は収益性への影響は継続しており、下落している地点もみられるが、オフィス系商業地については、空室率が依然低くオフィス賃料にも変化がみられないことから、新型コロナウイルスの地価への影響は限定的であり、上昇傾向がみら れる。また、宿泊施設用地への打撃は大きいが、マンション需要の下支えがあるエリアにおいては上昇傾向がみられる。
■京都府の工業地の平均変動率は、平均変動率は前年の+2.9%から+4.5%へと上昇率が拡大した。新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした、いわゆる「巣ごもり需要」によりネット通販が好調であることから物流施設用地に対する需要は堅調である。また、製造業関連用地についても回復基調が認められる。新名神高速道路開通への期待感から府南部地域の工業地の地価は強含みで推移している。
<滋賀県>
■滋賀県の住宅地の平均変動率は、▲0.9%(前年▲1.3%)となり、14年連続の下落となった。下落幅は平成29年から令和元年までは同率(▲0.8%)で、令和2年及び令和3年は新型コロナウイルス感染症等の影響により、下落幅が拡大(令和2年が▲1.5%、令和3年が▲1.3%)したが、本年はその影響が緩和され、下落幅が縮小した。大津・南部地域では、草津市+1.2%(前年+0.5%)、守山市+1.4%(前年+0.6%)、野洲市+0.5%(前年+0.2%)の3市の平均変動率は前年に続いてプラスとなり、栗東市も+0.8%(前年▲0.4%)とプラスに転じたが、大津市は▲0.1%(前年▲0.8%)で前年に続きマイナスとなった。本年は新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され、需要が強い地域を中心に、上昇地点数が増加し、横ばいから上昇に転じた地点や上昇幅が拡大している地点が見られた。その他の地域では、全ての市町の平均変動率がマイナスとなっており、特に人口が減少している地域や利便性の低い地域、また、開発から期間の経過した住宅団地等では従来から下落基調が続いており、下落幅が拡大した地点も見られた。
■滋賀県の商業地の平均変動率は、平均変動率は0.0%(前年▲0.5%)となり、マイナスから横ばいに転じた。大津・南部地域では、前年に続いて、全ての市の平均変動率がプラスとなった。
大津市:+1.1%(前年+0.4%)、草津市:+2.0%(前年+1.3%)、守山市:+1.3%(前年+0.9%)、栗東市:+1.6%(前年+0.5%)、野洲市:+1.3%(前年+1.0%)
JR線主要駅周辺の商業地域や繁華な路線商業地域、マンション建設に適した地域などで、上昇地点数が増加し、横ばいから上昇に転じた地点や上昇幅が拡大している地点が見られた。なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年、令和3年と下落となっている地点が多く見られたが、本年は郊外型路線商業地などで収益性が高まっている地点で、上昇地点が見られた。その他の地域では、近江八幡市が+0.9%(前年+0.4%)と6年連続でプラスとなり、日野町が0.0%(前年▲0.2%)とマイナスから横ばいへ転じた。その他の市町については、京阪神への場所的劣位性や郊外の大型商業施設等への顧客流出に伴う集客力の低下、人口減少、高齢化の影響等により従来から下落基調が続いており、下落幅が拡大した地点も見られた。
■滋賀県の工業地の平均変動率は、平均変動率は+1.9%(前年+0.4%)となり、2年連続の上昇となった。前年からの継続地点21地点のうち、大津・南部地域では6地点全てが上昇となった。また、甲賀・東近江・湖東・湖北地域では12地点が上昇、1地点が横ばい、2地点が下落となった。県内では、物流施設や倉庫の引き合いは、主に県南部地域で多く、条件に見合った土地が少ないのが現状であり、企業からの問い合わせは非常に多い状況にある。
<奈良県>
■奈良県の住宅地の平均変動率は、▲1.3%(前年▲1.3%)で、平成 4 年から 31 年連続の下落となった。平均変動率は、▲1.0%(昨年▲1.2%)となり、14年連続の下落となったが、下落率はやや縮小した。鉄道駅徒歩圏の生活利便性が高まっている住宅地の需要が堅調であるほか、交通利便性・住環境ともに良好な地域は供給が希少であり、地価は安定的に推移している。県中南部で過疎化の影響等を受けている等の地域では、慢性的な需要不足により下落傾向が継続している。
■奈良県の商業地の平均変動率は、0.0%(昨年▲1.1%)となり、下落から横ばいに転じた。奈良市の中心商業地を中心として需要が回復傾向にあり、奈良市、橿原市、生駒市、香芝市、王寺町の5市町で上昇に転じた。大和高田市、大和郡山市、葛城市、広陵町においては、路線商業地を中心に比較的需要が堅調であり前年比横ばいとなった。県中南部においては、路線商業地の一部で横ばいの地点が見られるものの、旧来の商業地については人口減少に伴う需要の減少等により引き続き下落傾向にある。
■奈良県の工業地の平均変動率は、▲0.6%(前年▲0.9%)であり、昨年より下落率は縮小した。災害リスクが比較的少ない内陸型工場用地が選好される要因もあり、高速道路等のインフラが充実している大和郡山市の昭和工業団地や大阪方面へのアクセスが良好な生駒市の北田原工業団地において、需要は堅調に推移しており上昇傾向が継続している。
<和歌山県>
■和歌山県の住宅地の平均変動率は▲1.1%で、平成3年から32年連続の下落であったが、下落率は昨年の▲1.4%から3年ぶりに縮小した。
■和歌山県の商業地の平均変動率は、平均変動率は▲0.9%で、平成4年から31年連続の下落であったが、下落率は昨年の▲1.2%から3年ぶりに縮小した。
■和歌山県の工業地の平均変動率は▲0.9%であり、昨年の▲1.2%より下落率が縮小した。